偶成に見られる『ちょうどよくない』魅力
偶成って、語弊があるかもだけど色々何もかもが《ちょうどよく》ない。
それこそマサムネさんみたく正座して聞くというか。
聞く側に素地を求められるし、偶成ってなに?ってなる、まず。
偶成<朱熹>
少年老い易く 学成り難し
一寸の光陰 軽んず可からず
エレファントカシマシの魅力はそこにあって。
(と、ソロからファンになった私が言ってます)
ソロ活動でエンタテインメントで完成されていたから逆に引き立つというか。今だからこそ野音であの『偶成』が聴けたのだと思う。
珍奇男のズレてるような合ってるような感じ、癒される曲でもない、いい曲とも一言で言えない、無難じゃない、
とにかく、
なんだかとっても、
『ちょうどよくない』
人間で言うといい人に魅力を感じないとか、
美で言うと整った造形よりどこか崩れた違和感に惹かれる。
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ああうち仰ぐ空のかなたに
きらりと光る夕陽あり
流るるドブの表を
きらりとさせたる夕陽あり(偶成)
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現象に「きらりとさせたる」ってあてるの天才すぎる。
ドブ、受動態。
そうして、私達は芸術だ哲学だと思うのに、本人は『労働』と言う。
分かる人にだけ分かればいいんじゃなくて、届けたい!って気持ちだとか、売れる事への拘り。妙にアンバランス。
そこも御しがたく好ましい。