この世を統べているのは心

まるで自然の摂理のごとくエレファントカシマシを好きになり生命活動の一環として解釈し続ける日々

『RAINBOW』に見たヒーローと『昇る太陽』で再会した

RAINBOWの歌詞はほんと、達筆にしたためて国立美術館に飾ってもらいたい。もはや文化財の可能性まである。

 

「暮れゆく秋の空 少年老い易く

太陽目指して駆け抜けたヒーロー

この世を統べているのは心」

 

分かりやすい言葉を並べてるのに異質すぎる。頭ん中覗いてみたい。

 

「この世を統べているのは心」で私は

太陽と月に背いて」のアルチュール・ランボーを連想する。

 

見つけたぞ!何がだ、ー永遠。太陽と手を取りあって、行った海 (訳:粟津則雄)

Elle est retrouvée !

Quoi ?  l’éternité.

C’est la mer mêlée

   Au soleil.

(私はこの粟津則雄訳が一番好きで、直訳→「永遠、それは一緒になった海、太陽と」のmixedを「手を取り合って行った」とgoneの意味合いを含むのが好ましい)

 

この詩に傾倒してる私からすると太陽を永遠の象徴とすることは容易く、同時に『永遠≠変わらない』が成立する。

 

太陽は昇り、沈みゆく。

 

「暮れゆく秋の空 少年老い易く

太陽目指して駆け抜けたヒーロー

この世を統べているのは心」

 

「暮れゆく秋の空」「少年老い易く」の揺らぎの直後に永遠の象徴的な「太陽」

 

対してCメロの

ふと見上げれば変わらぬ輝き

月の光俺を照らしている」

の月は不変。

 
 
この3分58秒は壮大な戯曲だったかとさえ思う。
 
「ベイビー くずおれそうさ 面目ないね
陽だまりも宇宙も 悲しみも喜びも
全部この胸に抱きしめて 駆け抜けたヒーロー」
 
これこそが永遠だ。
ここがめちゃくちゃ好きだ。
 
崩れ落ちそうさ、じゃない。くずおれそうさ。
天才なの????
 

そして私はこの『RAINBOW』に見たヒーローと四年後『昇る太陽』で邂逅した。

 

遠い記憶の中じゃ そうさ俺は super hero

いつか浮世の風に吹きさらされちまって 立ちつくしてた」 
 

「昇る太陽 俺を照らせ 輝く明日へ 俺を導いてくれ
ああ 浮世の風に吹きさらされ 佇む 俺の咆哮(ほうこう)」

 

あれは再会だった。